犬かヤギか

愛犬の話に辿り着く前の話~第1章~
恐らく、私はいわゆる、変わった子どもだったのだと思う。
母親からは、幼少期、叱られた記憶しかない。
今では、変わった人=個性的な人=魅力的な熟女、と数式が確立しているので、
人生がどんどん輝いていると信じている。
まだ、4歳の頃だったと思う。父親の仕事の関係で、長屋の社宅に住んでいた。
長屋の続きのAさん宅の玄関に、白い生き物がいた。

当時の私は、その生き物がなんであるかを知りたくて、知りたくて仕方がなかった。
子どもながらに、犬かヤギだと思った。
どちらなのかを、確かめたい。必死に作戦を考えて、ある日名案が浮かんだ。
紙くずを、、、紙くずをその生き物に近づけて、
食べたらヤギ!食べなかったら犬!なんて、素晴らしいアイデア…。
明日から,確かめに行こう。
Aさんのお宅の玄関へ、、
1日目…お腹の空きそうな夕方に、紙くずを持って、白い生き物に近づける。
寝ている、、タイミングが悪かったか。
2日目…昨日より少し早めに行った。紙くずは、昨日より柔らかい物、
食べやすいかな?、、反応なし
3日目…思い切って、口に近づけてみる。食べたらヤギ、、ヤギだといいな。
食べない。紙が悪いのか。
4日目…母親が、すごい剣幕で、「さっき、Aさんからお電話があって、
『NAOKOちゃんが、うちの犬を見に来てくれるのは、いいんだけれど、
犬にゴミを食べさせるのはやめて欲しい。』って、
一体何をしているの!!」
私は、母親のお説教など、耳に入ってこなかった。
謎が解けた事が、何より嬉しかった。いや少し残念だった。
犬だったんだ。犬か…だから紙を食べなかったのか、、ヤギだったら、よかったのに~。
いやいや、NAOKOちゃん、ヤギは紙を食べるのかな?
童謡が情報源のが全てでしたから、、、。
子どもの発想は、突拍子もなく、行動は誤解を生みやすい。
大人のフィルターで物事を見てはいけない。

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