SAKURA去る 後編

お兄ちゃんに会いたかったんだね。
彼女が亡くなってから、
不思議な事が起きる。
私が退院してから、1ヶ月後、
息子がを高熱を出した。
1歳を超えたあたりから気管支が弱く、
何度か入院をしていたため、
普通ならばかかりつけの大きな病院へ
受診するのであるが、
少し遠かった。

私自身もその病院まで
連れて行く気力がなく、
近所の個人病院へ。
それから2日経っても熱は下がるどころか、
39度以上もあり、
意識も朦朧としているようだった。
夕方もう一度その個人病院に連れていき、
帰ってきて、少し目を離した時、
変な声がした。

慌てて息子を見に行くと、
痙攣を起こしてしていた。
私自身がパニックになってしまった。
この子まで亡くなってしまうの、、、って
救急車を呼び、いつものかかりつけの大きい
病院への搬送をお願いをした。
救急隊の方から、夕方何時からか以降は、
中村日赤病院しか、搬送できません。
と言われた。

1ヶ月前、この病院を私が退院する時に、
二度とこの病院には戻ないと誓った程だ。
(病院が悪いのではなく、
悲しい思い出のせいです。)
息子は救急車で、
1ヶ月前の私と同じように、
同じ病院に運ばれた。
高熱の原因は、扁桃腺炎だった。
その後、すぐに快方に向かった。
息子はSAKURAちゃんに会っていない。
SAKURAちゃんもお兄ちゃんには、
会えなかった。
きっと、この病院に呼んで
会いたかったんだと思う。

ママに会いたかったんだね。
1年後の4月の終わりに、
娘が産まれた。
家族の者は、産まれた娘は、
亡くなったSAKURAちゃんに
そっくりだと言った。

不思議なことに、
娘は今と産まれた顔が別人のようである。
娘の友人からは、整形疑惑(してません!)も
冗談で出るほど。
私はSAKURAちゃんの顔を見ていない。
見てしまったら、
前に進めないと思ったからだ。
SAKURAちゃんも私を見ていない。
きっと、
元気にSAKURAちゃんとして産まれて、
ママに会いたかったんだね。

そこに居たんだね。
娘がハイハイし始めた頃だったか、
3歳の息子が無邪気に、
部屋の天井の部屋の
四隅を探してこう言った。
『もう一人の〇(娘)ちゃんがいる!』
居たんだね。
そこに居たんだね。
息子の言葉は真実だろう。
本当に見えているんだと思う。
私自身、納得してしまった。
息子は別段、その後何か不思議な力が
宿っているわけではない。

産まれた日を忘れないで
最後に、この偶然に気がついた時、
この出来事が予言されているようで、
私は正直、怖いと思った。
新しい家族を迎える為に
新車を納車したその日に、
私はその新車に乗って
病院かなかければならなくなった。
その日は、4月8日。
そして、SAKURAちゃんは
4月10日に産まれた。
この新車のナンバーが、
『0810』だったのだ。
あなたの思い出の日付けは、
忘れないよ。ずっと。

偶然は、必然。
そこには必ず意味があると、
私は信じている。

 

 

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