初めての対面
くーすけくんと、
名古屋動物愛護センターで、
初めて対面した時、
とても独特な姿だった。
元の毛並みの色は
全身ブラックだと思うが、
両耳と、頭からお尻にかけて
一本のラインで茶色に染められていた。
今まで、人の手で染められた
犬は見た事が無かった。
手放した、飼い主の方が、
特別に愛情を注いでいたと、
信じたい、、、。
お世話に振り回される私
家族の一員となったその日から、
お世話が始まった。
犬に触れる事に慣れていない
私にとって、
お散歩が一番の難関だ。
共同住宅のため、
ペットは飼ってもいいが、
共用スペースには、
ペットを離してはいけないという規則。
だから、お散歩に行く時には、
まずくーちゃん
(くーすけくんと名付けたが、
結局くーちゃんと呼ばれる)を、
ゲージに入れて建物の外に出てから、
くーちゃんを外に出す。
このゲージに入れるのに、
また苦労した。
ゲージを見るとお散歩に
行けると分かるようで、
喜ぶはいいが、
ゲージをカリカリ足で引っかいて、
中に入らないのである。
くーちゃんのお世話の比率は、
どうしても私が高くなってしまう。
先ずは、ゲージに入れなくては、、、
結論としては、
ゲージの奥におやつの
ビスケットを置いて中に
誘導するという作戦しか
思い付けず、今もこの方法で
お散歩前の儀式を行っている。
私以外の家族は、
おやつ作戦でなくても
誘導できるのであるが、、、。
次に外に出たわいいが、
初めは無茶苦茶に
走り出したりして、大変だった。
ただただ、振り回される
私がしつけができないのである。
(わんちゃんしつけ教室にも
行ったが、すぐに出来る
ものではない。)
愛犬との距離感を縮めたくて、
リンゴを美味しそうに
食べたので、与えすぎて、
後で吐かせてしまったり、、、
(くーちゃんごめん。今は、
人の食べ物は与えません。)
くーちゃんは、
大人しい犬だと思うが、
来客のチャイムの音に
異常に反応し、
チャイムが鳴ると
けたたましく吠え出した。
犬の吠える音で、
苦情がくるのではないかと、、、
気を遣い、家族になって数ヶ月、
私自身が参ってしまった。
過敏性大腸炎になってしまった程。
譲渡の条件
名古屋動物愛護センターでは、
譲渡してもらう条件として、
「去勢手術」を
受けなければならない。
その理由として、
人間の都合で手放したペットなので、
これ以上望ましい命を
増やしてはならないという事。
くーちゃんも、家に来て、
去勢手術を受けた。
手術台の上では、
怖くて震えていた。
手術を終えて、帰って来た後、
痛さと怖さからか、
食卓のテーブルの下で
じっとしていた。
その姿を見て、
優しく撫でてあげると、
くーちゃんが甘えてきた。
私はもともと犬には
慣れていないので、
くーちゃんにも、
それは分かっている。
だからお互い距離感を
どう縮めていいのか
わからなかったのだ。
この出来事以来、
少しづつ距離が縮まって
いったと思う。
くーちゃんの要求には、
自分自身が振り回されないように、
(家族の中では、
それでも、私が一番
振り回されているかも、、)
でも、今では、
くーちゃんとのお散歩は、
平行歩行!