【お祭りで見かけたヒヨコたち】可愛がるだけでは育たない、思わぬ環境で育った一羽の話 後編

ヒヨコの話である。
長々と続けているが、
本当にあった話なのだ。

無謀なチャレンジをする決意とは、
【ニワトリは、訓練すれば、 
 飛べるようになるのではないか!
 この子を、飛べるニワトリに育てよう!!】
このヒヨコにピヨちゃんと名付けた。
ちょっとした、運動をお願いされただけなのに、
Naokoちゃんの中では、野望が渦巻いていた。

その日以来、ほぼ毎日
小学校からまっすぐ帰宅し、お隣へ直行。
そして給湯器の小部屋を開けると
ピヨちゃんが顔を出す。
可愛い、、、。
そこ子を抱いて、となりの自分の家の庭へ放ち、
自由に運動させる。
ピヨちゃんに運動させるのが、
いつしか、毎日の楽しみになっていった。
そして、ピヨちゃんも、懐いてくれて
給湯器の小部屋から、ピヨちゃんを出すと
私の後ろをついて来るように、、。
ヒヨコが少しづつ成長していく。
身体が、茶色の毛に変わっていった。
ある日、ピヨちゃんの胴体を抱いて、
軽く飛ばしてみたら、
パタパタと飛ぶ仕草が見られた。
やはり!!
飛べるんだ!!
ピヨちゃんは!!

これを毎日続ければ、
ピヨちゃんは、飛べるようになる!
と確信した。

信じてもらえないかもしれないが、
ピヨちゃんは、
日に日に飛距離を伸ばして行った。
そして、ピヨちゃんは、
日に日に成長していく、、、。
ある日、改めて、ピヨちゃんを観察した際
可愛さがなくなり、どんどん
ニワトリに近づいていく姿に、
子ども心に戸惑いを覚えた。
(当たり前なんだけど。)
ピヨちゃんのつぶらな瞳が、
どんどん、険しい目つきになり
トサカらしきものが、、、。
そして、動きも機敏になっていく。

給湯器の小部屋から出すと、
今までは、つたない足取りで、
ピヨピヨとついてきてくれのに、
だんだん、追いかけられるような
そんな、状況になってきた。
その頃には、
信じてもらえないかもしれないが、
飛ぶための訓練を続けた結果、
胴体を抱いて、軽く飛ばすと、
パタパタと、10ⅿ近く飛び、
庭の松の木の枝に止まったりするようになった。
飛ぶようになったのだ。
いつしか、
飛んで逃げてしまうのではないか、
そして、いつまで一緒に遊べるのか。
子ども心に複雑な感情が
芽生え始めていたのも事実だった。

そんなある日、お隣に行くと、
給湯器の小部屋に、ピヨちゃんが
いなかった。
Aさんに聞くと、ピヨちゃんが、
大きくなり、給湯器の小部屋が
手狭になり、小屋を建てるか、
悩んでいたが、引き取ってくれる
お知り合いに、お譲りしたと、、、。
何の前触れもなく、ピヨちゃんが
居なくなってしまったことに、
ショックを受けた。
ピヨちゃん元気でね。

Aさんは多分知らない。
ピヨちゃんが、飛べるニワトリ
であることを。





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