何を落としたのか?
あの時も暑い日の出来事だった。
子どもが幼い頃だった。
言い訳ではないが、
(言い訳ですが)あの頃は、
毎日バタバタしていて、
よく無くし物をした。
ある日、かかりつけの病院から
電話がかかってきた。
「Naokoさん、先日、お財布を
落とされませんでしたか?」
お財布を落としてもいないし、
第一その病院には、ここ最近、
受診もいしていない。
訝しげな私の様子に、
病院の方がこう話した。
「実は、ある方がNaokoさんの
お財布を拾われたのですが、
個人を特定するものが、
こちらの病院の診察券のみで、
お財布を拾われた方が、
ご連絡先を教えて欲しいと
言われました。
個人情報ですので、
お伝えが出来ず、病院から
ご連絡させて頂きました。」
なんと、私はそこで初めて、
小銭入れを落とした事に初めて気づいた。
お財布を拾って下さったのは、
近くのお店の方だった。
その方のお名前とお店の
電話番号を病院から、お聞きして、
お礼の電話をかけた。
感動と恥ずかしさと
その方が、
「念のため、店のスタッフ数人で立ち会い、
お財布の中身を開けさせて頂きました」
なんて親切な方、、、。
感動と同時に顔から火が
噴き出すほど恥ずかしかった。
あのお財布の中身を数人の
スタッフで、見てしまった事に、、、。
お財布の中身を見られるのって、
恥ずかしい事だと思った。
何が恥ずかしいか、、、
体裁を気にしてしまうが、
何より中身の金額が、、、。
よく、お財布を拾って下さった方には、
中身の5%~20%のお返しと
定められているみたいだが、正直、
5%~20%なんて数十円の中身だった。
そのお財布を私に届けて下さるまでの、
ここまで時間と労力を費やして
下さった事に対しては、数十円どころの
お礼では申し訳ない。
10割以上のお礼をさせて頂いた。
お金には、換算できない。
人の気持ちは、時として、お金を超える。
心当たりのない落とし物
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