そう、そう、昨日の続きの話。
母が私に市の合唱団に入るテストを
受けるようにと、
こちらの気持ちも確かめるでもなく、
私に強引に勧めてきた。
私は、かなり渋った。
音楽は好きだったが、歌うことは
自信がなかった。
しかも、入団テストは、
皆の前で、一人で歌わないと
いけないらしい。
しかも、結構、落とされる子も
いるとのことだった。
何故、望んでもいない、
テストを受けて、
もし、落とされたとしたら、
恥ずかしいじゃないか。
子どもにだって、プライドがある。
でも、私が、腑に落ちなかったのは、
母が、その入団テストを受けるように、
勧めてきた理由だった。
それは、仲良くしている、
母友の娘さんがその合唱団に
入りたいとの事で、
一人で受けさせるのも、
不安だから、Naokoちゃんも、
一緒にどうかとの誘いが
あったから、だと知った。
母は母友の顔を立てるために、
子どもの気持ちはお構いなしに、
お付き合いでの一環で、
受けさせようとしたのだ。
もし、二人とも受かれば、
その合唱団の練習も子どもたち
二人で行けるだろうという、
計算もあっただろう。
私は、子どもながらひねくれて
いたので、このまま、思い通りに
なってたまるかと、密かに計画を
立てていた。
そう、試験当日。
学校の教室を借りての入団テスト
だった。
結構な人数の子どもが、
テストを受けに来ていた。
テストが始まる、、、。
緊張感が教室を埋める。
一人一人、名前を呼ばれて、
課題曲を一人で、歌っていく。
私の番が近づいてきたところで、
すくっと、立ち上がり、
教室を一人で出て行った。
テストをボイコットしたのだ。
自分の番が、終わっただろうと
いう頃に意気揚々と教室に戻り、
想定外の出来事が起こる。
課題曲と、自由曲があることに
気づく。
課題曲はボイコットしたが、
自由曲の順番が回ってきたのだ。
私は、次は、机に伏せて、
名前が呼ばれても、ずっと
机に顔を伏せ続けて、
テストをボイコットした。
親同伴のテストだったので、
母には、大恥をかかせてしまった。
母にとっては幸いなことに、
母友の友達は教室が違ったので
この惨事は、母友には見られなかったものの、
母の怒りは相当だった。
ただ、無理に受けさせたことに対しての、
反省もしているようだった。
私は、やり遂げた気持ちと、
少々、親に恥をかかせた後悔もあった。
不思議な事に、それでも
テストに合格するのではないかと、
変な期待をして合否の結果を
ウキウキしながら、待っていた
記憶がある。
子ども心って面白い!!
えっ、そうですよ。
もちろん、実際は
不合格でしたけど、、、、。
ちなみに、母友の娘さんは、
合格して、その後、音楽の先生に
なられたと、聞いている、、、。
めでたし、めでたし。