先日、スーパーへお買い物へ行ったとき、
店内に入った途端、アナウンスが流れた。
迷子のアナウンスだった。
子どもが不安で、泣いてるんだろうなぁ。
早く、親御さんと再会できるといいね。
と思いながら、ふと、思い出した。
自分も迷子になったことがある。
自分の子どもたち二人もそれぞれに
迷子になったことがある。
迷子になる瞬間って、
一瞬なんですよ。
あれは、雨の日の事だった。
新しく買ってもらったばかりの、
赤い長靴を履いて、母とスーパーへ
お買い物に行った。
1階が食料品・2階が衣料品売り場というような、
スーパーだった。
私は、新しい長靴が嬉しくて、
母とのお買い物も嬉しくて、
2階の衣料品売り場の綺麗な通路で、
バレリーナのように
くるくると、回っていた。
(その行動が謎ではあるが。)
そして、あるタイミングで、
くるっと一回転したら、
母親が居なくなった。
母親の姿が見当たらないのだ。
ほんの一瞬くるっと
回っただけの時間に、
消えてしまった。
母親からすれば、私が神隠しに
あったようなものだが、
私からすれば、
母親が神隠しにあったようなものだ。
必死に、探し回り始めたら、
見つからないのである。
お買い物客もまばらで、
すぐに見つかりそうなものなのに、
全く見つからないのだ.
子ども心に焦る。
どうしよう、どうしよう、
どうしたらいいんだろう。
涙がこみあげてくる。
そうだ、お店の人に伝えよう。
もう、涙はあふれていた。
泣きながら、母とはぐれた旨を伝える。
名前も言えた、、、完ぺきだ!!
店員さんが、私の隣で、店内アナウンスを
かけてくれた。
まだ、涙は止まらなかったが、
これで、母が来てくれるだろうと。
アナウンスを泣きながら、でもどこか
安堵した気持ちで聞いていた。
「迷子のお知らせです。
赤い長靴をはいた、黄色い服装の
女の子が、待っております。
女の子の名前は、〇〇 まさえちゃんです。
心当たりの方は今すぐ、
2階〇〇売場、サービスカウンターまで
お越しください。」
私、まさえちゃんではないんですけど、、、。
泣きながら、心の中で叫んだ!!
まさえちゃんは、私の母のな・ま・え!!!
母は、迷子のアナウンスで、
自分の名前が呼ばれ、
慌てて、なおこちゃんを、
迎えに来たのである。
母に会えてうれしい気持ちと、
名前を間違ってアナウンスされたことが、
可笑しくて、(母もおかしかったと思う)
母が来て、二人で思わず大笑いした。
店員さんは、よほどうれしかったのだろうと
思ったことだろう。
まさか自分が、子どもの名前と母の名前を
間違ってアナウンスしたとは、
夢にも思わず。
迷子のアナウンス
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